石場建構法

木造の家と言ってもたくさんの工法があります。石場建伝統構法とは戦前まで長い年月をかけて醸された日本独自のものです。地場の素材を組み合わせ自然と寄り添う無理のない家造りは日本の環境に優しく佇みます。

  • 優れた耐震性

現在主流になってしまった 建物を基礎に緊結する方法ではなく基礎石の上に柱を乗せるだけのこの構法は地震の際、揺れにあらがう事なくまるで相撲をとるような動きをします。また、木 を組み合わせ貫(ぬき)という部材を通し竹を縄で編み込み土を塗る事で建物の「面」に粘りを出し、建物に加わる地震の力を相殺します。

  • 蟻害を防ぎやすい

柱を礎石建ちにすることで風通しを良くしたこの構法は白蟻が好む湿度のある床下環境を作りません。また、住み手自ら目視による確認ができます。

  • 自然素材の恩恵を受ける

接着剤や石油化合物を含まない木や土で囲まれた空間は心身に安らぎをもたらします。

  • 家が上手に年を重ねる

自然素材で構築された建物は住み手の生活と共に少しずつ表情を変えていきます。瑞々しく澄みきった新築の状態から主を守り自然にさらされ侘び寂びをまとい成熟していく様は表現し難い趣があります。